[ライブレポ] Ado@さいたまスーパーアリーナ

 すごく久しぶりにブログを書きます。livehisの中の人です。ライブは時々行ってたんですけど、全然レポを書いてなかったです。

 今日は、Ado@さいたまスーパーアリーナに行ってきました。たまアリってここ何年かLUNA SEAでしか行ってなくて、いつも200レベルまでしか使ってなかったので、400レベルまで使ってるライブがすごく新鮮な感じがしました。たまアリってこんなに天井高かったんですね・・・。

 で、ライブのほうなんですが、まあ音源聞いてて分かってたことですけど、バカみたいに歌うまいですよね。しかもあんな喉に負担かかりまくりな歌い方で2時間まったく衰えず歌い続けるって、化け物かと思いました。DIR EN GREYの京かよ。

 ただまあライブでも顔出しはしないようで、前半は薄い幕で囲まれた立方体の中で歌ってたんで本当にライブ感はあまりなかったです。普通のライブだと1曲目バラードで始める場合なんかにステージ全部薄い幕で覆ってることありますが、あんなやつです。4月にあったZeppのレポはTwitterとかで見てたんで驚きはしませんでしたが、本当にシルエットしか見えないので、時間が経つとだんだん見るところがなくなってしまうんですよ。ほかのライブで1曲目を幕おろしてやる場合、2曲目でスピードチューンをぶっ込むと同時に幕を落としたりするので、1曲目でタメてた分爆発したりできるんですが、そういうわけでもないですし。 
 本人というか演出サイドもそれはもちろんわかってるはずで、シルエットとして見せたときにかっこよくなるようにきっと相当練習したんだろうなあ、とは思いましたが、とにかく全身でアクションしながらずっと歌っていました。シルエットの動きとしてはめちゃくちゃかっこよかったですが、1曲2曲ならそれもありですけど何曲も続くとなかなかしんどいです。あれだけの声量で歌いながら全身動かし続けなければいけないってかなりつらいと思うんですが、その割に客の満足度はそこまでじゃないんじゃないかって思っちゃいました。

 本編後半からは箱からは出て普通にステージ上で歌っていましたが、スポットライトは正面からは絶対当てないですし、ステージ背面は全面LEDだから、やっぱりシルエットなんですよ。動きは相変わらず大きくて、ライブの振り付けというよりミュージカルみたいに全身で表現するので、そこはかっこいいと思ったし歌も含めてすげえなとは思いましたが、やっぱり何曲もそれだとちょっとね・・・とはなってしまいます。実際ポツポツと座り始める人は周りにもいましたし。
 ぶっちゃけ大半のお客さんは、Adoの歌が聞きたいというよりも(もちろんそれもあると思いますけど)姿を見たいっていうのがかなりあったと思うんですよ。僕の周りの席ではオペラグラス使ってる率がいつも行ってるライブより高いなと思いましたし、「顔出さないのかな~」っていう話し声もちらほら聞こえました。結局(最前のお客さんは別として)最後まで顔はわからないままでしたので、かなりのお客さんが不完全燃焼で帰ることになったんじゃないかと思います。ガチファンからすれば「そんな客はもう二度とこなくていいよ」って言いたくなるでしょうが、そうなったら果たしてどれくらい動員できるのか。どこかでテレビに出て、希少性を売りにする路線から転換しないと飽きられちゃうんじゃないかと思います。今年の紅白くらいがちょうどいいタイミングじゃないでしょうか。もちろんライブしない路線に舵を切るのもありですけどね。

 で、そうなると他のところ見るしかなくなってしまうので、ギターの人の動きめっちゃでかいなあとか、バックバンドには照明当たってるのでフロントマンだけ真っ黒ってなんか不思議な感じだなあとか、そんなことを思いながら見てました。
 ビジョンはたくさんあった(というか演出はほぼ全部ビジョン)んですけど、全部ずっとCG流してるだけで、でもステージ上が代わり映えしないから、そのCG見るのがメインになってしまったんですが、これはしんどいです。PVとか曲に合わせて特別に作られた映像ならいいんですが、ただ幾何学的なCG流してるだけなので別に面白いものではないですからね。
 アンコールでようやくカメラ映像も使い始めましたが、客席からの映像しか使ってなくてズームもしてないので、ビジョンとしては意味なかったです。自分の席から見えてる景色と何にも変わらない。それでも変化があるのでCGよりはだいぶマシではありました。
 
 あと、MCはアンコールで1回あっただけですが、やっぱり慣れてない感じはすごくして、聞いてるこっちが「これちゃんと話まとめられるんだよね・・・」と心配になっちゃいました。これはインディーズとか路上で死ぬほどライブやってきて今ここまで来た、というバンドやシンガーソングライターとは違うので、もうそれはしょうがないです。今後ライブを繰り返して場数を踏めばどんどんうまくなると思います。
 慣れてないっていえば、客側もあまりライブ慣れしてない人が多かった印象です。普通に声出しちゃってる人が比較的多かったように思います。Adoで初めてライブというものに来た、という人も何気にけっこういたんじゃないでしょうか。

 全体通して言うと、好きか嫌いかでいうと、あくまで個人的にはですがそこまで好きなライブではなかったです。これはもうライブでどこを面白いと思うか、っていう個人の感覚によって評価は全く変わると思います。僕の場合は、もちろん曲が好きっていうのは大前提にあったうえでプラスアルファ、たとえばMCが面白いとか客席をうまく煽って一体感を持たせるとか、あと本人がすごく楽しそうに演ってるのを見てこっちもハッピーな気分になれるとか、そういうところにライブの楽しみを感じてるタイプです。そういう観点では、楽しかったかって言われると、ちょっとだれるかな・・・というのが正直な感想です。今日のライブは、本人が楽しそうかどうかなんて一切わからなかったですからね。
 たとえばアンコールの「うっせぇわ」とか、アンコールでもあの歌い方でまったく音がぶれずに歌えるのすごいですし、かっこいいとは思いましたが、ライブとしての盛り上がりでいうと、春に幕張メッセで見たヤバTの「うっせぇわ」のカバーのほうが圧倒的に楽しかったです。
 まああくまで僕の感想なので、歌唱力や演奏力を重視する人にとってはすごく良いライブなんじゃないかなと思うし、まだライブ2回しかやってないっていうことを考えると単純に凄いとは思います。ただ僕がライブに求める楽しさとはちょっと違った、というだけなんです・・・。これがイベントとかで持ち時間40分ならもっと楽しめただろうとは思います。楽曲のパワーは凄くあるし、歌のうまさも半端じゃないので。
 あと、チケ代が1万円近かったっていうのも、正直ちょっとあります。最近チケ代上がってるとはいえ、キャリア10年以上のベテランの値付けじゃないですかね、それって。定価5千円なら評価ももう少し違ったかもしれません。

 そういえば今日最後に銀テープ飛ばしてましたが、銀テありになったんですね。ここんとこ、本来銀テが飛ぶとこで飛んでこなくて物足りなさを感じてたライブが多かったので、解禁されたなら今後のライブが楽しみです。

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